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過去時制(かこじせい)とは、言語で過去の動作、現象、状態等を表現する時制。時制を持つ言語の多くには過去時制があるが、未来時制と非未来時制しかない言語(例えばケチュア語)もある。 詳細は言語により異なる。特に、現在完了形と過去形を区別しない言語は多い。英語では両者を厳密に区別し、現在完了形には現在時と離れた特定の過去時を指示する副詞句をつけられないが、ドイツ語やフランス語(特に口語)では区別しないことが多い。日本語で過去を表す「た」も、起源は完了であり、「到着したら連絡して下さい」などの用法は純粋に完了を意味している(現実には未来のことである)。 このほか言語によっては、動作・現象の相による区別、伝聞か、話者の現実の経験かといった法に関わる区別(日本語の古語など)、あるいは現在時とのへだたり(近い過去か、遠い過去か)による区別をする。 過去のある時点ですである事態が実現していたということを表す過去完了形は、大過去形ともいう(言語によってはさらに(直)前過去形などを区分することもある)。間接話法では、主節の動詞の時制を基準にし従属節の時制はこれに従って決定される(時制の一致)ので、過去におけるそれより過去についての言及内容は大過去形で表される。また、過去から見た未来を表現するのに特化した過去未来形を持つロマンス諸語のような言語もある。これは現実に反する内容を表わすこともあり、直説法ではなく「条件法現在形」として扱われることもある。 ==ラテン語とロマンス語== ラテン語の動詞では各時制に対して未完了形と完了形の区別があり、過去のことであっても継続・反復的ならば未完了過去形、完結的ならば完了現在形を用いるという区別がある。この区別はラテン語から派生したロマンス語(フランス語・スペイン語など)にも引き継がれ、ラテン語の完了現在形はロマンス語の単純過去(遠過去)形に、未完了過去形は半過去形・線過去形〔これらの名称は日本における各言語学での名称で、フランス語ではimparfait(半過去)、イタリア語ではimperfetto(半過去)、スペイン語ではpretérito imperfecto(線過去、不完了過去など)、ポルトガル語ではpretérito imperfeito(不完全過去)と呼ばれる。()内の名称は日本での各言語学での名称。〕になっている。また助動詞と過去分詞を用いる完了形が発達し、現在完了形が複合過去・近過去〔これらの名称は日本における各言語学での名称で、フランス語ではpassé composé(複合過去)、イタリア語ではpassato prossimo(近過去)、スペイン語ではpretérito perfecto(現在完了他)と呼ばれる。()内の名称は日本での各言語学での名称。〕などとも呼ばれて過去の意味に用いられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「過去時制」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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